●台湾からの愛' 06 June
6月7日 午後。
いつもどおりぱっとしない天気の台北国際空港に降りたった。
ゲートを出るとホテルからの運転手が俺の名前を掲げて待っていた。
’オガワカ サン デスカ、 コチラ ドウゾ!’
車に乗り込み40分、今回の滞在先ホテルへ到着する。
位置的にはにぎやかな繁華街のど真ん中だった。
早速チェックインをすると部屋へ。
まずはインターネットがちゃんとつながるかを調べる。 これがないと仕事にならないから。
仕事を小1時間やって腕時計を見るとまだ夕方6時だった。
‘前回はほとんど町、なにも見れなかったからちょっとぶらっと出てみるか。小腹もすいたし、ローカルご飯でも探そ!’
さっきカウンターでもらった地図をまずチェック。 まずは町全体の図を頭に入れ、なんとなくの位置を確認。 あとはどうにかなるもの。
カメラを持ってホテルを出た。
小汚い小さな店が裏通りをびっしり埋めている。
‘これだよな、やっぱり、ローカルの匂いは!’
小走り気味に急ぐ自分にブレーキをかけ、周りの景色を堪能しながらローカルの雰囲気を楽しんだ。
最近食べすぎだったから今日は歩こう! そう思い約1時間町を歩きまわった。
するとやはりあちこちで見てきた数え切れない小さな屋台の食べ物が頭を離れない。
‘こんだけ歩いたんだから、ね? 大丈夫でしょ。’
そう言い聞かせると、次に目に入ってきた屋台で足を止める。
一応メニューは感じだからなんとなく想像はつくんだけど。でもやはり心配。 そんな時は回りの人が何を食べてるかをチェック。 みんな麺とスープを食べていた。 一人で座らず周りをうろうろ見渡して、突っ立っているので、店の人は俺に何か言ってくる。
でも俺何言ってるかはわからない。
するとさっきちょっと目が合ったあやしいおっさんが俺に言う。
‘Sit down, Sit down '
おっさんは顎ひげをねずみの尻尾のようにはやし、頭には中国の子供がかぶるような丸い帽子をかぶっている。
でも見ると、何かうまそうな麺を食っているではないか。
‘Do you speak English?’
‘おー このおっさん英語しゃべってる。 Yes, Yes,’
どう見てもいんちきくさいこのおっさんが英語をしゃべれるおかげで俺はおっさんと同じ麺を注文することが出来た。
ゴマヌードル。 結構うまい! しかもやすい! 70円!
やばやば、この国にいたらどんどん太ってっちゃうよ!
おじさんと向き合いながら食べているとやはりその場の雰囲気で会話が始まる。
‘where are you from? when did you arrive? ’
聞くとおっさんは昔ロンドンでレストランをやっていたいたとか。 それで英語がしゃべれるそうだ。
怪しいんだけど笑うと目がなくなるこのおっさん。 何か自分を見ているようだった。
そのうちおっさんが
‘この後どうするんだ。俺は町市場に行くけど一緒に来るか? そのあと家で特別なお茶をご馳走するぞ!’
と誘ってくれた。 どうせ一人だし町を案内してくれるってせっかく言ってくれているから、悩むことなく‘お願いします!’
これから市場にも連れてってくれるし、その場の勘定は俺にさせてくれと言い張り、勘定を済ませおっさんの後を歩きだした。
これまた遠い。 さらに30分歩く。 ただ町の隠れていた部分も見れた。やはり地元の人がいると違う。
更におっさん(多分50歳くらい)に話を聞くと、現在は仕事も何もしてなく仏教の勉強をしているという。 更にはギリシャだのアラブだのあちこちの国を旅するらしい。そして奥さんは身長182CMの美人(本人いわく)やはりあの風貌、只者ではなかった。
市場に到着し、一通り見て回る。 そしておっさんは更に歩きはじめるのでただついて行く。
歩きながらおっさんの質問に今度は答える。‘大学では美術と哲学を勉強していた。’と伝えると今度は哲学の話になった。
2人で町を歩きながら哲学の話しをする。 ‘でもこのおっさんもタフだな~’と思ったそのちょっと後、やはりこのおっさんも疲れたのか、‘ちょっとコーヒーでも飲もう’と提案してきた。
ただおっさんはまた歩き始めた。
そして結局おっさんが決めたコーヒーショップに着くまでまた20分くらい歩いた。
その店は特に特別でもなく普通に見える。
‘何で今まで通ってきたコーヒー屋じゃだめだったんだ?’
と考えるものの、そんな事は無駄。 とりあえず疲れた足を休める。ただ気づくとそこは滞在してるホテルのすぐ近くではないか。
コーヒー屋でまたおっさんと話しをする。
今度は俺の話になった。 俺が独身だというと、どうだ台湾の女性は?と聞かれた。 ただおっさんは続く。
‘今 台湾の女性は高望みをして容姿が良く、金持ちの男とじゃないと結婚したがらない。 だから台湾の男は結婚できない人が増えていて、最近では中国やベトナムから嫁を買ってくるんだ。 日本もそういうのあるだろ? ただこれだけは言っておく、中国で育った女と結婚はしない方がいい。 外から見れば同じ女だから結婚しても良いと思うかもしれないが、考えてる事はぜんぜん違うんだぞ。 結婚しても合わないからやめた方がいい。’
おっさんの調べだとそうだと言う。
そして話しは続く。
‘その点俺はラッキーだった。 台湾の女と結婚できたし、彼女背が高くて美人なんだ... `
腕時計を見るともう9時になっていた。
歩き続けてさすがに疲れた。 おっさんも疲れているようだ。
でもおっさんはこれから家に来てお茶でも飲むか?と誘ってくれた。ほんと外国から来た赤の他人に親切にしてくれるよな~。おっさんに改めて感謝の気持ちを伝える。 ただ今日はこれでホテルに戻り、また一仕事しなければと伝えるとおっさんはレジに行き紙とペンを持ってくる。 そして
‘今度来た時はうちに遊びに来なさい。 特別なお茶をご馳走するから。 あとボートで川くだりもいいぞ。 その時は家の奥さんも連れて行く!’
そう言って連絡先をくれた。 もちろん俺も自分の連絡先を教えた。
おっさんはまたそこから歩いて帰るという。
タフなおっさん! でもやさしいね。
硬い握手を交わすとおっさんはサンダルで道を渡る。
‘see you! '
すぐそこまで来ていたため、俺はホテルまですぐだった。
とりあえずベッドに横になる。
‘すごい長い1日に感じたな。 でもあのおっさんのおかげで濃い時間が台湾で過ごせたよ。 どこの国に行っても面白い人はいるし、そんな人達に合えるのは貴重な事だ。今回の台湾の旅は良いスタートだな。’
そんな事を思いながら知らない間に深い眠りについていた。
何がすごいって?
それはここまで読み続けたあなたがすごい!
俺は真似できないな。あきっぽいから。
以上 江古田のモスバーガーにて! つづく。